日本人になじみの深いスパイスのひとつに「しそ(紫蘇)」があります。
古くは中国やヒマラヤが原産とされ、日本に渡来してからはそのフルーツのような香りと優れた抗菌・殺菌力から日本人の生活には欠かせないものとなりました。
我が家でも「青じそ」と「赤じそ」両方を育てていて、様々な料理に活用しています。
本記事では、ジャパニーズスパイスの代表ともいえる「しそ(紫蘇)」について、栄養や効能、スパイスとしての特徴について解説いたします。
Contents
しそ(紫蘇)とはどんな植物?
・和名:しそ(紫蘇)
・英名:Shiso leaf / Japanese basil
・学名:Perilla frutescens var. crispa
・階級:シソ科シソ属
・原産:中国中南部、ヒマラヤ、ミャンマー
・栽培可能エリア:日本全国
・形態:草丈1m程度になる1年草。
・特徴:強い抗菌・防腐作用を持つ
植物学的には中国原産のエゴマ(荏/荏胡麻)の変種で、日本にはエゴマの方が先に渡来していたようですが、薬効や紫蘇の実からとれる油の品質の方が上等だったことから、盛んにシソが栽培されるようになったとされています。
シソ自体はあまりスパイスという感覚は無いかもしれませんが、各種ミントや、セージ、オレガノなど、シソ科のスパイスやハーブはとても多いですよね。
「青じそ」と「大葉」「青じそ」と「赤じそ」の違いとは?
青じそと大葉の違い
よく間違えるものとして「青じそ」と「大葉」の違いがありますが、この2つは全く同じものです。
なぜ呼び名が違うのかというと、青じそは植物名で、大葉はスーパーなどに並ぶ時の商品名として使われています。
ただこの2つが違うものとして認識されやすい理由として、「青じそ」という名称も商品にたくさん使われていることや、地域によっては大葉とは言わず全て青じそと呼ぶ場合もあり、統一されていないことが挙げられます。
青じそと赤じその違い
食用のしそとして販売されている物で代表的なのは「青じそ」と「赤じそ」でしょう。
両者は栄養面ではさほど大きな差は無いのですが、赤紫蘇には赤い色素の元になるアントシアニン系色素「シソニン」が含まれていたり、青じその販売時期が通年であるのに対して赤じそは5月末~7月中旬と短かったりなどの違いがあります。
しそ(紫蘇)に含まれる栄養と期待できる効能
・ビタミンA、C、E、βカロテン、ポリフェノールが豊富で高い抗酸化作用をもつ
・鉄分、カリウム、カルシウムが豊富
・芳香の成分「ぺリルアルデヒド」
・ポリフェノールの一種「ロズマリン酸」
・アントシアニン系色素「シソニン」(※赤じそのみ)
シソの栄養素と言えば、ビタミンA,B,Cに加え、βカロチン、鉄分、カリウム、カルシウムが豊富であることが有名です。
お弁当への防腐抗菌効果!香り成分「ぺリルアルデヒド」
シソの精油の約半分を占める芳香成分ぺリルアルデヒドは、高い防腐抗菌作用を持ち食材が痛むのを防ぎ、胃液の分泌を促進するので食欲が落ちやすい夏場にもってこいの食材です。
夏場のお弁当などでご飯が悪くならないように紫蘇をのせることがありますが、シソの持つぺリルアルデヒドが細菌類の繁殖を抑えてくれるので食中毒予防効果があります。
抗酸化作用のあるポリフェノールの一種「ロズマリン酸」
ロズマリン酸は青じそよりも赤じそに多く含まれているポリフェノールの一種で、高い抗酸化作用を持ちます。
ロズマリン酸にはアレルギー症状緩和効果があるため、アレルギー持ちの人は青じそよりも赤じそを推奨している記事を見かけるのはそのためです。
赤じその赤い色素「シソニン」
我が家では梅干しの色付けに赤じそを使いますが、赤じそのもつシソニンという色素は、梅に含まれるクエン酸に反応して赤く発色するので古来から梅の色付けに使われます。
シソニンには、高い抗酸化作用に加え、防腐効果も持つので梅干しの保存性も高まり一石二鳥なのです。
しそ(紫蘇)のカロリー
しそ(生)のカロリーは、37kcal(100gあたり)
しそのカロリーは葉も実もかわらず100gあたり37kcalです。
しその葉1枚では、わずか0.2kcalしかありません。
しそ(紫蘇)を食べ過ぎるとどうなる?
しそを食べ過ぎることによる副作用や健康被害については特に確認されていません。
当然ですが、その人の健康状態や妊娠中かどうかなどによっても影響度合いが変わってくるので、健康被害が確認されていないからといって過剰に摂取するのは控えましょう。
しそ(紫蘇)の実が採れる時期と美味しい調理法とは?
※シソの穂からしその実をとっているところ
シソの花が咲いた後の穂紫蘇(ほしそ)には、びっしりと紫蘇の実が付きます。
収穫時期は地域によって違いますが、大体9月中旬~10月初旬が収穫適期で、実際にしその実をかみつぶしてみてプチっと潰れる触感があればちょうど良いタイミングです。
そのままでも食べられますが、独特のエグ味が苦手な方は塩を加えた熱湯にくぐらせてアクを抜くと食べやすくなります。
私のおすすめは紫蘇の実の醤油漬け!
調理にも使えますし、納豆に入れてもものすごく美味しくなりますよ!
紫蘇を使ったレシピ
当サイトでご紹介している紫蘇を使ったレシピをいくつかご紹介します!
まとめ
シソはごくごく一般的に食べられるのでスパイスという認識はないかもしれませんが、梅干しの着色や抗菌防腐効果を狙った使われ方などは、私にとっては一食材というよりはスパイスに近いと感じています。
普段の食生活に上手く紫蘇を取り入れることで健康増進効果も期待できるので、是非色々な料理に使ってみてくださいね!
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