看護師を辞めて毎日自分の好きなことをして、でも次に何をしたらいいのか少し悩みながら暮らしていた時のこと。
友だちから一冊の本を借りました。
それがこちら。
当時全くラダックの事を知らなかった私は、偶然友人から借りた本に載っていた素晴らしい景色や笑顔のこどもたちの写真を見て、私はどうしてもラダックに行ってみたくなり2014年に約2か月ほど一人旅をしました。
ここで過ごした2か月間は、私が「今後どのように暮らしていきたいか」などライフスタイルに大きな影響を与えるものとなりました。
この記事を読んでくださっている人の中には、既にラダックの事をご存知でこれから行ってみたいと考えている人、ラダックという地名すら初めて聞いた人もいると思います。
これから書くのは私の2か月間の一人旅の記録ですが、現地の気候・治安・観光スポット以外にも、私が現地で学べたことや感じたことも交えてお伝えできればと思います。
Contents
インドのラダック地方ってどんな場所?
※画像:wikitionary
ラダック(Ladakh)という名前すら聞いたことがないという人も多いかもしれませんが、ラダックはインドの北部に位置し、標高の平均が3500mと富士山のてっぺんよりも高い山岳地帯です。
上の地図で見るとインドの一番上の端っこで、東側は中国(及びチベット自治区)、西側はパキスタンに接しています。
ラダックの文化はチベット仏教を信仰している人が多いため、小チベットとも呼ばれ、チベットの文化とよく似ている言われています。
中心都市はレー(Leh)という町です。
ラダックの美しい風景とそこに暮らす人々
私が友だちに借りた本には写真が多く載っていて、それらが私を強烈にラダックに引き込んでいきました。
青い空と茶色いごつごつをした岩
低地に生えている緑
カラフルな民族衣装を着た人たち
一瞬で目を奪わてしまうほど、きれいな風景が広がっていました。
「早くこの地を自分の目で見てみたい!」と期待を胸に一人旅に出かけました。
想像してたのと違う!ショックを受けたラダックの第一印象
「なんじゃこりゃ!」
空港からのタクシーを降りてラダックの中心地レーについた途端、正直な感想です。
あれほど楽しみにしていたラダックなのに日本に帰りたくなりました。
自然豊かなどころか、街はたくさんの車と排気ガスと乾燥した砂埃でお世辞にも空気がきれいとは言えません。
※画像:レーの中心部
日本で見ていたヘレナさんの本*¹やガイドブック*²を見て想像していた風景とはだいぶかけ離れていました。
街を歩くと鼻の穴がまっ黒に。
東京の空気の方が数倍キレイではないでしょうか?
私はあまりのショックでレーの街に到着した途端に適当な宿に入って引きこもってしまいました。
それも、引きこもった宿は窓から隣の壁しか見えず、光が入ってこない。
その宿で、適当に買った固いパンを少しだけかじってほぼ寝ていました。
道ゆく人たちが、すれ違いざまに「ジュレー」*³と挨拶をかわす・・どころか誰も挨拶なんてしていません。
(*³:ラダック語で「こんにちは」や「ありがとう」などを指す挨拶の基本の言葉。ハワイで言う所の「アロハ」みたいなもの)
最初の印象は最悪でした。
軽い高山病や長い飛行機の旅の疲れで体調があまり良くなかったこともありますが、なぜ私はこんなところに一人で来てしまったのだろうと思ったほど。笑
のちのち気づきましたが、本当はレーもいい街なんです。
居心地のいいカフェがあり、車が多いのは中心街だけで、5分も歩けば畑や牛がいるようなのどかな場所です。
でも、着いたばかりの私はそんなこと知るはずもなく、ただただショックを受けてしまったんです。
<*¹:懐かしい未来 ラダックから学ぶ>
<*²:ラダック ザンスカール トラベルガイド>
ラダックの標高は3,500m!高地に慣れないうちにレーを脱出して大失敗
飛行機が降り立った場所が既に富士山のてっぺんよりも標高が高いため、ラダックについて調べると「まずは移動せず体を高地にならすためにレーに2~3日滞在するべき」と出てきます。
しかし、レーの空気の悪さにショックを受けた私は一刻も早く街を出たくなって、このアドバイスを知っていたにもかかわらず、順応期間を守らずにレーから遠い所へ脱出を図りました。
なぜか「自分は大丈夫」と根拠のない自信を持ってしまうところが私の失敗のもとです。
この決断が私のラダック一人旅の始まりを最悪なものに変えてしまうとは思いもよりませんでした。
高山病から始まった修行のような旅
案の定、私はレーからザンスカールのパドゥムという中心街に移動する道中で高山病になってしまいました。
その一番の原因は、パドゥムに向かう途中で標高4,000mに至る峠を3つほど通ったこと。
私の高山病による頭痛がピークに達したのは道中のバスの中で、なんでこんなに頭が痛いんだろうと思っていると現地の人が「この辺りは標高4,000mを超えてるんだよ」と教えてくれました。
体が高地に順応する前により標高の高いとこに行ってしまったのですから高山病になるのは当たり前ですよね。
ただただレーから離れたい一心で向かった先が、更なる高地だったことは単純に私の確認不足でした。
パドゥムという街自体もレーより標高が高く(3,669m)、パドゥムに夜遅くに到着した私は高山病のためか食事をほとんどしていないのにも関わらず全く食欲がなかったのですが、宿で食べた食事の美味しさに少しずつ体調を取り戻していきました。
インドカレー定食みたいなものでしたが胃にしみわたり、最初はスープやサラダだけ食べようと思っていたのに完食。
体調が悪いと言ったら、辛くない味付けにしてくれて、スープもつけてくれました。その優しさも身にしみて忘れられない食事でした。
寝るときになって、部屋の窓の格子ごしに夜空を見るとものすごい数の星、星、星!
星で空が明るいと思えるほど一面に星が敷き詰められていました。
その時、私はようやく「あぁ、ラダックへきて良かった」と思うことができ、旅モードのエンジンがかかったのを覚えています。
基本、私は一人で旅に行くので最初は楽しいというよりも不安やドキドキ感の方が大きいのです。
英語が通じない国に行くことの方が多く、最初は現地の言葉も分からなく、その国の空気感にも慣れていないので勝手がわかりません。
徐々に慣れてくると楽しめる余裕が出てくるのですが、ラダックの旅は特に最初に高山病になるという最悪の出だしだったので、一種の修行のようでした。
まぁ、自業自得なんですけどね。
ラダックに行くときの高山病対策
私のように到着直後に自分を過信して極端な行動をとらなくても、ラダックに到着直後に大なり小なり高山病の症状が出ることは避けられないと言われています。
症状は個人差が大きく、頭痛や吐き気などの「山酔い」と呼ばれる症状が出ることはよくあります。
私はそこで判断を誤って、より高地に行ってしまったので激しい頭痛に見舞われてしまいましたが、適切な対策を取れば数日で高地に体が順応していくので症状は次第に収まっていきます。
ラダックでの高山病対策は以下の通りです。
1.レー到着直後は1~2日間、高地に体を順応させるために移動を控える
2.高地順応が終わるまでは、激しい運動、飲酒、喫煙、熱いお風呂を控える
3.水分を多めに補給する
4.深い呼吸を心掛ける
5.予め高山病の薬を処方してもらっておく
高山病に効く!?ダイアモックス(アセタゾラミド)について
高山病に効く薬として広く認知されているのが「商品名:ダイアモックス(一般名:アセタゾラミド)」です。
私自身も元看護師としてこの薬は良く知っていましたし、この旅で高山病になった時に同じゲストハウスに滞在していたフランス人旅行客から「ダイアモックスあるけど使う?」と気にかけてもらいました。(実際にはお断りして使わずに治しました)
ラダックにくる旅行者の多くがダイアモックスを事前に処方してもらっていて、結構みんな持っているようでしたが、私自身は副作用の問題があるので安易に使うのは避けた方が良いと考えています。
詳しくは「高山病と関連疾患のガイドライン」をご覧いただければと思いますが、予防効果が確認されていながらも、ダイアモックスの副作用について下記のように書かれています。
痺れなどの知覚異常や多尿が5%以上に認められ,発疹,下痢・食欲不振などの消化器症状,頭痛・めまい・傾眠・見当識障害・麻痺などの精神神経症状,倦怠感などの副作用が認められること,重大なものとしては代謝性アシドーシス・電解質異常,そしてショックやアナフィラキシー様症状を起こすことがあるため,予防的投与についてはこれらの副作用について熟知し,入山前に飲用を試みるべきともいわれる
ラダックに行こうと考えている方は、もし高山病について懸念があっても上で挙げた高山病対策例をしっかり知っておいて、私のように自分を過信して無茶をしなければ大丈夫です。
もし、過去に高山病に複数回なった等の既往歴がある方は、事前に処方しておいてもらうと良いでしょう。
まとめ
自業自得とはいえ、ラダックの旅は高山病から始まり、かなりつらいスタートとなりました。
最初は想像していたのと違う環境や風景にショックを受けて足早に離れたレーですが、その後ザンスカールから戻って活動の拠点にすることになります。
到着した当初はレーという街のほんの一面しか見ていなかったんですね。
ラダック旅行記、まだまだ続きます。
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