こんにちは、ひらつかスパイス農園のまりです。
皆さんはスパイスに興味を持つようになったきっかけってありますか?
私はインドや中東諸国への長期滞在経験からスパイスに興味を持ち、もっと深くスパイスについて知りたい!というのがきっかけです。
東京に住んでいた当時、都内にあるスパイス料理店やチャイ専門店、スパイス専門店に足を運んでは自分で料理を再現したりして勉強をしていました。
私が勤めていたのは2014年10月から2015年10月までの1年間でしたが、ここでスパイスの知識とスパイス料理について色々学ばせてもらうことができました。
本記事では、私がスパイスについての基礎知識をつけさせてもらったエヌハーベストについて、元店員としてご紹介したいと思います。
Contents
エヌハーベストってどんなお店?
私がかつて働いていたエヌハーベストは、東京の西荻窪にあるスパイスと紅茶の専門店です。
このお店は代表の鈴木さんが学生時代にインド旅行へ行き、その旅の途中にパキスタンのフンザに行ったことから始まっています。
※パキスタンのフンザ
インド旅行の途中、一緒に行った友人たちと別れて一人パキスタンのフンザに行った鈴木さんは、ある日高熱を出してフンザで手厚く看病してもらったそうです。
見ず知らずの旅人である自分に村中の人がとても親切に看病してくれて、その時の親切に感銘を受けた鈴木さんはフンザの人に何か恩返しをしたいという思いで、フンザの商品を輸入販売を始めました。
スパイス屋ではありますが、エヌハーベストはそこら辺にあるただのスパイス屋ではありません。
店内はまるでパキスタンのフンザのような異国情緒あふれる雰囲気。お店で働いていた時はよく、初めてのお客さんに「なんのお店なの?」と聞かれることも度々。
照明のランプ一つ一つにまで妥協せずにこだわり抜いた店内に一度入れば、どこか異国へ旅をしたような気分になります。
現地生産者と直接取引をしたフェアトレード商品を扱う
鈴木さんは現地の人たちとフェアな取引をしていて、実際にフェアトレード講座で話をしたり、パキスタンの農家の方々が研修で日本を訪れた時も、鈴木さんのお店を見たいと訪れたので皆でランチをしたこともあります。
※パキスタンの生産者の方々とお店の前で
また、鈴木さんはもともと料理人で、レストランを開くかスパイス屋を開くか迷ったこともあるそうです。
最終的には、レストランを開くと旅に行けなくなるからスパイス屋にしたとか。
毎年、インドやスリランカ、パキスタンなどに行き、スパイスなど仕入れ先の視察に行ったり、料理を習ったり、パキスタンに滞在してパキスタンの工芸品の製作を体験したり、ホームステイでパキスタンの料理や生活を毎年体験し、その体験を仕事に生かしています。
※現地のスパイス生産者
生産地を直接視察し、生産者の声も聞いているんです。
こうやって生産者に直接会いに行って仕入れたスパイスは、ナチュラルハーモニーなど大手の会社やオーガニックレストランなど幅広く卸しています。
毎日のスパイスを使ったまかない料理が学びの機会
エヌハーベストが面白いのはスパイスを売っているだけでなく、本格的なスパイス料理もするという点。
鈴木さんだけでなく、スタッフ全員がスパイスを使って毎日まかないを作ります。
※代表の鈴木さんが作る賄い飯はいつも美味しかった
エヌハーベストでは、スパイスの袋詰めや発注などどんなに忙しい時でも、スパイスを使ってスタッフが交代で賄いを作っていました。
私はここで働く前からスパイスを使った料理は作っていたのですが、働き始めてからはこの賄いのおかげで毎日のようにスパイスを使った料理をすることに。
元料理人やスパイスの専門家の前で賄いを作る時はいつも緊張しましたが、スパイスを使って賄いを作ると皆がすぐに感想を言ってくれるので勉強になりました。
時々、パキスタン人のアリフさん(もとエヌハーベストのスタッフで今は宝石商)がお店の手伝いにきてパキスタン料理を教えてくれたりもしたので、日本に居ながらパキスタンの料理を食べることができたのもとてもラッキーでした。
代表の鈴木さんは毎年、インドやパキスタンを訪れていて本場の料理の情報をアップデートし、帰国すると現地で習った料理の試行錯誤の日々です。
※インドの高級レストランのスタッフと鈴木さん
もし私が普通のスパイスの小売り店で働いていたとしたら、このエヌハーベストのように本場のスパイス料理の作り方などは学べなかったと思います。
ここでは毎日賄い料理を作ったりしていたので、実戦形式で元料理人の鈴木さんのスパイス教室を受けているような環境だったのでとても恵まれていました。
エヌハーベストでいつも鈴木さんが作っているチャイのレシピを当サイトでもご紹介していますが、鈴木さんの凄い所はその日の気温や湿度などによって微妙に作り方やスパイスの配合を変えているところ。
下記記事でご紹介しているレシピはあくまでもベースとなる作り方なので、もしエヌハーベストに行くことが可能な方は是非鈴木さんの作るチャイを実際に味わってみることをおすすめします!
エヌハーベストで開催しているイベント
大人気!!スパイス講座
エヌハーベストのスパイス講座は、私が勤務していた時は不定期で開催されていましたが、今は定期的に開催されています。
毎回予約がすぐに埋まってしまう人気ぶり。
外部からも「スパイス教室をうちでも開催して欲しい!」という声も多く、レストランや自然食品のお店、酒蔵など関東から遠方の地から招待されて店舗以外でも開催することもありました。
元従業員の私がみても内容はかなり盛りだくさんで、学びの多いスパイス講座。
使っている材料はほとんどオーガニックの良い品質のものだし、メニュー数も多いし、最後に実食があり、スパイス料理に興味がある人がいたら、満足度120%のスパイス教室だと思います。
器もインドやパキスタンから仕入れたものや、渋谷にあるグランピエというアンティーク屋さんから買い付けたもの、古道具屋さんから仕入れたものなど、味わい深い食器で食べることが出来るのも魅力です。
私もジーラライスを作ったり、チャパティを焼いたり鈴木さんのアシスタントとして、間近でスパイス教室のお手伝いをさせていただきました。近くで見ていると微妙なコツやタイミングなども分かりとても学ぶことが多かったです。
料理教室で作る料理は賄いでもよく作るので、鈴木さんに教えてもらいながら私も作ることができるようになり、友だちを招いてインドカレーを作ったりしていました。
スパイス講座の他にも、「インドやパキスタンの珍しい楽器を使った演奏会」や「洋裁教室」など、スパイス専門店の枠を超えたイベントも行われていますので、このお店の雰囲気が気に入ったお客さんは色んな所に顔を出してくれます。
イベントを通じて沢山の常連さんや顔なじみの方が多いのもこのお店の特徴かもしれません。
外部開催のイベントにも数多く出店している
エヌハーベストは自分たちが主催するイベントのみならず、外部主催のイベントにも数多く出店しています。
・アースデイ
・アースガーデン
・ナマステインディア
・国際オーガニックEXPO
・東京インターナショナル・ギフトショー
・Organic Lifestyle EXPO
・東京ベジフードフェスタ
etc
通常営業に加えてイベントにもどんどん参加するので、私が働いていた時は通常の納品作業とイベント出店の準備で本当に毎日ギリギリで回っていた気がします。
イベントではスパイスの販売のお手伝いがてら、自分のスパイスアクセサリーの販売もさせてもらい、スパイスのアクセサリーというコンセプトが斬新だったのか毎回好評をいただいていました。
時々、イベントでチャイやカレーの販売も行います。
世田谷祭りでは急遽チャパティを作って販売することになり、私はチャパティ係を担当しました。
急にでしたが、普段から作っていたのでなんとかお客様に提供することが出来て一安心。
鈴木さんはいつも「作りすぎたかな?」など心配をするのですが、毎回売り切れるほどの人気で、この時もチャパティが売り切れてしまい途中で急遽フランスパンを買いにいきました。
私自身がスパイスアーティストとしてスパイスアクセサリーを販売させてもらったのは、代々木公園で開催される「アースデイ」「アースガーデン」「ナマステインディア」などでした。
スパイスやオーガニックフードに関心がある人がたくさん集まるイベントなので、エヌハーベストの知名度とブランドを借りて、出展させてもらったのは凄くいい経験になりました。
エヌハーベストは、その他メディア取材もたくさん受けていますが、あまりにも多すぎて掲載し切れません。
エヌハーベストで働いて良かったこと
良かったことを上げればきりがありません。
エヌハーベストで働いていなければ、今の私は確実になかったでしょう。
スパイスの使い方に詳しくなったり、料理イベントのお手伝いや賄いの料理作りを通してスパイス料理が作れるようになったことはもちろんですが、そのほかにも沢山のことを学ばせてもらいました。
エヌハーベストはお店も自分たちでセルフビルドするし、料理教室もやるし、面白い、やりたいと思ったことはドンドン実行させていきます。
※お店のカウンターを皆で漆喰で作った時
パキスタンの伝統的な帽子のパコールも自分で作れるようになりました。
面白いことがあふれているんです。だから、自分からやりたいことがあればどんどん挑戦できるし応援してくれます。お店をもっと良くしようとみんな頑張ってるいい雰囲気がありました。
いい意味でいつも固定観念を壊され、限界なんてないんだ。なんでも出来るんだな、と何度も思わされました。
代表は私の活動を応援してくれていて、「お店のスパイス何でも使っていいよ!!」と言っていただいた時は本当に嬉しかったです。
そのおかげで思う存分スパイスを使って、色んな料理やアクセサリー、香りが飛んでしまったスパイスは染め物の材料に使わせてもらったりもしました。
今こうやってこのサイトでスパイスを使った料理やスパイスアクセサリーを紹介できるのは、このエヌハーベストでの経験があったからです。
エヌハーベストへのアクセスと公式サイト
エヌ・ハーベストは中央線の西荻窪駅南口から徒歩5分の場所にあります。
エヌハーベストのお勧めスパイス
お店で扱っているスパイスはどれもお勧めなのですが、私のお気に入りはチャイスパイスミックス、カルダモン、シナモンパウダーです。
東京の実店舗に行けない方でも、ネットショップ(楽天 or 公式ウェブショップ)で購入が可能ですよ。
チャイミックススパイス
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お店で試飲して、一気にファンになったチャイミックススパイス。
代表がパキスタンのフンザでご馳走になったチャイの味がベースになっていて、チャイだけでなくクッキーに入れたりお菓子つくりにも使えます。
カルダモン
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何度か他のお店のカルダモンを買ったことがあるのですが、色が褪せていたり、虫食い?のような穴が開いていたり。エヌハーベストのカルダモンの質の良さが身に染みました。
働いていた時、カルダモンを大袋からパッケージするために袋を開けると目に染みるようなバチバチとした清涼感。きれいなグリーン色。カルダモンはスパイスの品質の差が出やすいように思いますが、エヌハーベストのカルダモンは本当に間違いない品質です。
シナモン
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スパイス屋で働く前まで、セイロンシナモンとカシアの違いさえ分からなったのですが、ここのセイロンシナモンを知ってから苦手だったシナモンが大好きになりました。
袋詰めするときに、シナモンパウダーが軽くて空気中に舞ってしまうのですが、そのいい香りといったら‼すごく幸せな袋詰めの時間でした。
他にもスパイスではありませんが、フンザで天日干しされたドライアプリコットは今まで食べたドライフルーツの軍を抜いて感動のおいしさでした。
まとめ
私がエヌハーベストで働くことになったのは、店舗に初めて入った時の雰囲気と直感が働いたからで、偶然が重なって運命が動いたようなそんな不思議な出会いでした。
こうやって今スパイスを使った暮らしをしているのもこの経験抜きには語れませんし、私がスパイスを使ったアクセサリーを思いついたのも、エヌハーベストでの経験がなければ起こらないことでした。
ここで取り扱ってるスパイスや紅茶はどれも一級品なので自信をもっておすすめできます。
私のインスタグラムではブログで過去にご紹介したスパイスを使った異国料理のレシピや、おすすめのスパイスの使い方や使用上の注意点などについてご紹介しています。
料理の作り方の細かいポイントやスパイスの使い方などわからないことがありましたら、Instagram経由でコメントなどいただければわかる範囲でお答えいたします♪
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