クローブ(丁子)は、シナモン・ナツメグ・胡椒と並んで四大香辛料のひとつに数えられる定番のスパイスです。
しかし、他の3つに比べて一般的な知名度が低く、実際に料理でクローブを使ったことがある人はあまり多くないのではないでしょうか。
本記事では、クローブというスパイスの使い方や効果についてまとめてご紹介します。
Contents
クローブ(丁子)とはどんなスパイス?
・和名:チョウジノキ
・英名:Clove
・学名:Syzygium aromaticum
・階級:フトモモ科フトモモ属
・原産:インドネシア、モルッカ群島
・形態:高さ10m以上にもなる高木常緑樹
・食用:開花前のつぼみを乾燥させたもの
・効果:消化促進、鎮痛、防腐、殺菌
スパイスのクローブは、チョウジノキと呼ばれるフトモモ科の植物の開花前の花蕾を乾燥させたものです。
原産地はインドネシアで、熱帯の植物であるため日本では栽培が難しいとされています。
生薬や刀剣類のさび止め油として、日本でも古くからなじみのある香辛料ですが、日常生活でクローブを頻繁に使う人はさほど多くありません。
肉料理だけではなく焼き菓子にも合いますし、チャイやクローブティーなどの飲み物にも使えるとても使い勝手の良いスパイスです。
ただ、芳香が強く、この香りが苦手な人も少なからずいるため、料理のアクセントや肉の臭み消し程度に使うのがベターかもしれません。
クローブの香り成分
オイゲノール (Eugenol)
クローブの香りの主成分は「オイゲノール」で、クローブ精油やシナモン油(葉・皮)に多く含有されています。
数あるスパイスの中でも香りは強く、「遠く離れていても香気が感じられる」という意味の百里香という別名があるそうです。(※参考:スパイスのサイエンス P102 武政三男著)
人によって好みがわかれる匂いでもあるので、私は平気なのですが夫にとっては強烈に感じるようで、料理に使うときは分量に注意して使っています。
バニラのような香りと形容されることもあれば、スパイシーなツンとくる刺激臭とする場合もあります。
一般的な所で言うと、とんかつソースやウスターソースの主要香味成分として使われているので、あの少しスパイシーなツンとした香りと言われれば少し想像しやすいでしょうか。
こういったお肉に合わせるソースによく使われることからもわかる通り、肉料理の臭み消しなどに使うと効果を発揮するスパイスです。
また、後述しますが虫が嫌がるニオイという事で、防虫効果を期待して使うことがあります。
クローブホール(クローブバッド)の使い方
※画像:wikimedia
市販されているクローブは、主に「パウダー(粉状)」「精油」「ホール(乾燥)」の3種類です。
その中でも、クローブホールは粉末よりも香りが強く、安価で大量に手に入れやすいのですが、どのように使ったらいいのかわからない人も多いようです。
ポピュラーな使い方としては、お肉などは「切れ込みを入れて根元まで差し込む」という方法があります。
こうすることでしっかりとお肉に味が行き渡り、調理後にクローブを容易に取り除くことができます。
また、煮込み料理などに使う場合は「こし器」があると便利です。
クローブを使うときは、このような調理器具を上手く使って、クローブ自体が口に入らないようにするのがポイントですね。
クローブオイル(精油)の使い方
クローブ精油はアロマ用オイルとして販売されているものが多いですが、防虫用のスプレーを作る時にも活躍します。
クローブオイルを防虫用に使う場合は、エタノールやキッチンアルコール等と混ぜて希釈し、スプレーボトルなどに入れて使います。
クローブ精油に関しては、使用上の注意がありますので後述します。
クローブ精油の毒性と使用上の注意点
私は元看護師ですが、看護師・保健師・薬剤師に向けて「公益財団法人 日本中毒情報センター」の中毒情報があり、その中にクローブの香りの主成分であるオイゲノールについての記述があります。
オイゲノールは、肺・肝臓・皮膚に対する毒性を持っており、アレルギー症状も引き起こすことがあります。
特に、クローブ精油の場合ではオイゲノールの含有率が高く、クローブ精油を用いた虫よけスプレーが皮膚に付くと、ピリピリとした刺激を感じることがあります。
過去に5~10mlのクローブ精油を誤飲した2歳児が、3時間以内に昏睡状態に陥り、8.5時間後に痙攣、低血糖、肝機能不全を起こし、3~4日後に視力障害が出たという事例があります。
犬の場合、経口で体重1kgにつき0.5gの接種で、24時間以内に昏睡、死亡が起こりうる量となっています。
クローブ精油を用いたアロマテラピーや害虫駆除を行う場合は、ご家庭に犬や猫がいる場合は特に注意が必要です。
クローブでのゴキブリ対策(虫除け効果)について
料理以外のクローブの利用で最も多いのが「防虫剤」としての利用です。
特にゴキブリが嫌う匂いとして広く知られていて、殺虫成分の含まれた薬剤を使わずに安全に使えるゴキブリ対策として注目されています。
上の写真は以前私が自作した防虫スプレーですが、クローブバッド(乾燥クローブ)をホワイトリカー(焼酎)に漬け込んだものをミストスプレーに入れて使っていました。
ゴキブリに対しては、実際に色々なハーブを使った防虫スプレーを自作してみましたが、他のハーブ類に比べてクローブの方が効果があるように感じます。
ただ、殺虫成分は含みませんので、期待できるのは「忌避効果」のみで、既に自宅内でゴキブリが繁殖してしまっている場合などは効果がありません。
クローブを撒いておけばゴキブリがいなくなるという程の効果は見込めないので注意しましょう!
クローブを使った魔除け「ポマンダー」
クローブの一風変わった使い方として、中世ヨーロッパで「魔除けの匂い玉」として作られていたポマンダーというものがあります。
当サイトでも作り方を紹介していますが、柑橘系の香りとクローブのスパイシーな香りが合わさって、玄関先などに置いておくと良いインテリアになります。
従来の魔除けの意味合いと合わせて前述の防虫効果もあるので、是非興味のある方はご自身で作ってみると良いでしょう。
クローブはどこで買える?おすすめのクローブ
いざクローブを購入しようとしても、近くのスーパーに置いていないことも多いのでどこで買えばいいのかわからない方も多いようです。
特に地元のスーパーなどでは、せいぜいあっても粉末のクローブか、GABAN(12g)の少量のものしかなかったりします。
オーガニックかどうか等のこだわりが無く、安く大量に手に入れたい場合は、Amazonなどで購入すると一番お得に購入できます。
上でご紹介しているクローブホールなんかは、100g入りでお手頃価格なのでおすすめです。
クローブはほぼ100%輸入なので、ネットでの購入が一番選択肢もあって便利ですよ。
まとめ
本記事では一般的なクローブの特徴や使い方についてご紹介いたしました。
当サイトでは、クローブを使った料理レシピやポマンダーなどの一風変わった使い方もご紹介していますのでそちらも是非ご覧いただければ嬉しいです。
ゴキブリ対策として購入した方も、簡単に料理にも使えるので是非試してみてくださいね。
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