スパイスの中でもターメリック(ウコン)は別名「キゾメグサ」と呼ばれ、染料としても使われることがあります。
私はスパイスアーティストとしての活動のひとつに「スパイス染め」を行っていて、特に自宅で栽培しているウコンを使った「ターメリック染め」は最も頻繁に行います。
我が家では毎年食べきれないほどのウコンが収穫できるので、古くなったりしたウコンは粉末にして染料として使っています。
私はこれまでにエプロン、手ぬぐい、おんぶ紐などをターメリックで染めたことがあるので、本記事ではターメリックを使ったスパイス染めの方法についてご紹介したいと思います。
ターメリック染めについて
スパイスは食べるだけでなく、古来から染料としても使われているんです。
それはインドなどスパイスの原産国だけの話ではなく、日本でもターメリックは防虫効果、殺菌効果があるとして、和服を包むのにウコン染めの風呂敷で包んでいたりしました。
通常の草木染の染料に比べ、スパイスで染めることでより強固な抗菌・殺菌効果が見込めるので、衣類害虫から大切な衣服を守ることができると言われています。
基本は草木染と同じなのですが、私はもともと琉球紅型・型染の教室でアシスタントをしていたこともあり、絞り染め以外に型染もスパイスで行っています。
今回は、私が行ったターメリック染めの中でも、シンプルな絞り染めと型染の2種類について簡単に方法を解説いたします。
ターメリック染め(絞り染め)の方法
まずは、ターメリック染め(絞り染め)の方法・手順は下記の通りです。
1.布(綿)を染まりやすいように「下ご」と言って豆乳に一時間ほどつけて絞り、乾かしておきます。豆乳は水で薄めて、カルピスよりもちょっと薄いくらいの濃度です。
2.布に輪ゴムで絞りを入れます。
3.粉末のターメリックをお茶パックに破れないように2重に入れておきます。
ターメリックの目安量は布と同じ重さですが、お好みの濃さに調節します。
4.大きめの鍋に布が全部つかるくらいの量の水とターメリックを加えて火にかけて、沸騰したら中火にして10分煮出す。
5.布を入れ沸騰したら火を止め冷めるまでつけ置きする。時々、箸でかき混ぜてムラがないようにする。
6.ミョウバンで2回色止めをする。ミョウバンは染める布の重さの3パーセントの量。媒染液は水1リットルに10gを溶かす。ミョウバン液に一度つけて完全に乾かしてからまたミョウバン液につける。
7.二度目のミョウバン液に浸けたら、そのまま何度か水洗いをして、色が落ちて来なくなったらアイロンをかけて乾かして、仕上げです。
上のエプロンは友人のフードディレクターさわのめぐみさんにオーダーされて作ったもの。
彼女が開催する料理イベントなどで身に着けてくれていました。
ターメリック染め(型染め)
草木染で模様を表現する時には絞り染めを多く見かけますが、私は琉球紅型染のアシスタントをしていたので、「スパイスを型染の染料として使えないか!?」と思いつき、お手伝いしていた紅型染めの先生に相談しアドバイスをいただきながらスパイスで型染をしました。
型染はパキッとデザインが出るところとても好き。
絞り染めにはない良さがあります。
型は先生にお借りして染めたのが下の作品。
染料は、黄色い所がターメリックで、それ以外は「ヘナ」と「コーヒー」を使っています。
模様に合わせて染料をすり込むので時間がかかり、あまり大きな作品を作るのには向きませんが、繊細な模様も表現できるので面白いですよね!
ターメリック染めの注意点
染色直後は鮮やかな黄色に染まりますが、スパイス染めは草木染の一種でもあり、比較的日光(紫外線)による退色が進みやすいという欠点があります。
特にターメリック(ウコン)は、染色堅牢度が特に低く、日光が当たった場所からどんどん黄色が薄くなっていくので注意が必要です。
そのため、ウコン染めをする場合は数回にわたって繰り返し染める必要があります。
まとめ
ウコンは肝機能の増強やポリフェノールの一種であるクルクミンによる健康増進効果が特徴として取り上げられることが多いですが、染料としてもとても素敵な色合いを出してくれます。
食材としてだけではなく、衣類を染めた時にも発揮する抗菌・殺菌効果。
スパイスの幅広い可能性を感じさせてくれる代表的な食材と言っても過言ではないかもしれませんね!
ウコンの種類や効能、過剰摂取による副作用などに関しては下記関連記事でご紹介していますので、あわせてご覧ください。
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